WSTマイス北海道紀行-夏の陣-

フェリーはまなす編

一夜明けて、朝。
船舶あるある、しょっちゅう案内のアナウンスが流れる。

「だが何のかんので目覚めたのは10時半だ」
福岡・大分から神戸・大阪ぐらいの距離ならば夜に出航して早朝に下船せねばならないが、この航路は夜到着なので下船やチェックアウトを気にせず力の限りゆっくりできるのだ。

力の限りうだうだ…。

「何が驚くって、この段階で新潟沖なんだよな。どれだけ長いんだ新潟」

やっと起きて船内散策。

日出日没のご案内。

うだうだしすぎてレストラン閉まっていた。…

とりあえずかるーく食べようということでカフェテリアで何とかスコーンみたいなパンとか頼む。
起き抜けにハイボールかよと思われそうだが中身はマンゴーラッシーなのだ。


そんでもってデッキに出て日本海を眺める。
中には海パン姿で日光浴を嗜む者もいた。
確かに、海を見てずっとぼんやりしたくなる。


台風が近づいているので天候は思わしくない。


太平洋側から台風が来ているので東側が曇って西側が晴れている感じ。
太平洋は荒れているが日本海は全く影響がないので殆ど揺れなかった。


テラスではジンギスカンバーベキューをやっていた。


ご飯を食べながら晩夏の海を眺める。


そして力の限りうだうだ。
本当に至福。


「寝ることしかやることがないからな」
それが退屈で我慢できない人間には船旅は向かない。
海外のクルーズ船などは乗客を退屈させないようにカジノやショッピングセンターなどを併設していると言う。

うだうだした次は、

ビュッフェがオープンしたので食事だ!
スープカレーは…。何とも微妙な味がした…。
カレーの味がしない、塩気だけと言うか。食べたことないのでわからないが、こんなもんなのか?

さあ、何のかんのでもう青森と北海道の間ぐらいを移動している。
それでもまだ到着まで7時間あるのか。

やることと言えば…。

寝る!


で、食後に横になったらそのまま爆睡して夕方だ!
力の限りだらだらしているぞ。

食事以外にすることと言えば、

入浴。


窓から日本海が見える。
ちなみに、入港中はカーテンが閉じるので外が見られない。


「実は何のかんの言って三回風呂に入っているのだがな」
流石に夕方になると人がいなくなってくる。


「風呂と飯と寝るだけの生活と言うこの至福」
一日だけなら至福。一週間続いたら結構つらいと思う。


ドヤ顔入浴風景。
兄貴は一体どこへ?
「馬鹿め。船と言えば俺の独壇場よ」


「そろそろ揚がるか」


夕日の日本海を眺めながらごろごろ。


丁度に日没が見られる方向だった。


お兄ちゃん登場。

「おのれ私を差し置いて風呂に入ってきおってからに」
「残念であったな愚兄。良い湯であったぞ」


初めて海龍以外が登場した。
マイスの存在をほとんど忘れるぐらいだらだらと過ごしていたのだ。


「まあ、シーツの上でままごとをしていても仕方がないからな」
絵にならないしネタもない。


窓付きベッドなので成せる業。


「なんか画像ループしてないか?」


「俺の存在を忘れて貰ったら困るぜ」
他にも大勢忘れられている。


「俺一人で十分よ」
こと船旅は。


夕日とサガと言う構図が延々続く。
刻一刻と変わるので逃さず撮らねばと思ってしまうのだ。


「見てる方は飽きるぞ」
編集しているほうも…。おかしいな。結構カットしたのに。


西日でレンズが反射している。


確かにゆっくりと海上の夕日を撮れる機会は滅多にない。

で、撮影が終わったら、

やっぱりうだうだ。
ブログの更新やソシャゲなどをすればいいのだが、海上は絶賛圏外なので電波が届かず何もできないのだ。元船舶無線の誇りはどうしたdoc〇mo。
「船内の公共無線LANがほぼ使えないのもお約束」
無線LANサービス自体がなかった気もする。

ビュッフェがオープンしたので夕食を食べに行く。
ビュッフェとレストランは朝食時間帯-昼食時間帯-夕食時間帯と限られた時間にオープンする。

肉じゃがカレー。物凄くおいしかった。
何故にカレーばかりかと言うと、寄港地カレーフェアをやっていたからだ。

そうこうしている内に下船の時間が近づいて来た。
私の部屋は左舷にあったので日本海以外何も見えないが、右舷は北海道沿岸部の夜景が見えるらしくしょっちゅうアナウンスされていた。
左舷から夜景が見えるのですでに湾口内に入っている。
車両甲板のすぐ上の階故のあるあるだが、車両の留め具を外す音が聞こえたり結構足の下から慌ただしい音が聞こえてくる。それもまたワクワクする。

港を背景にドヤ顔。

車両で乗船している客は車両甲板に移動するようアナウンスされている。
徒歩乗船は結構ゆっくりしていられるのだ。


「久しぶりであるな!小樽の地よ!」
前回が2008年なので実に8年ぶり。


「今度こそ海鮮丼を食べてやるわ!」
前回訪れた時は時間がない&胃の調子が悪いで何も食べられなかったのだ。

光源が怖い。

「さっさとせんか。置いて行くぞ」

まだ船室にいる乗客がいないか係員が見回りに来る頃合いなのでここで退散する。

ありがとうフェリーはまなす。素敵な時間をありがとう。

フェリーと言うのは車で来る人が多いので徒歩は結構後回しになる。車も奥のほうなら前の車両が出るまで結構待たされるのでどっちもどっちだろう。
ちなみに、下船の改札もバーコード。

ありがとうフェリーはまなす。


タラップの通路から。


ドヤ顔で記念撮影。
とは言え結構係員が往復するのでおちおち人形など出している暇はない。

フェリーと言うのは乗客の殆どが車で来ているので徒歩乗船は非常に少ない。徒歩で来たお客さんも、身内が車で迎えに来るので、公共交通機関を使う人間は凄く少ないという印象だ。
なので連絡バスはがらがら。乗客がいないと出さないらしいので、バスを利用する場合必ずフロントに申請せねばならない。

そのバスは港に着いてから40分後に出るらしいのでそれまで待合所の周りをうろうろしていた。

一眼レフを引っ張り出して撮ってみた。
露光時間を調整できるカメラがこれしかないからだ。

台風が近いからか小樽港は風が強く長袖を着ていても結構肌寒かった。
これが北海道なのだな、夏でも油断大敵だなとか内心思っていたような気がする。


小樽港の図。
三脚がないのでどうしてもぶれる。

フェリーに乗った所感だが、ツーリストの場合靴は絶対に脱ぎ履きしやすいものをお勧めする。
ベットでうだうだ→ちょっと風呂入ってくるか、ちょっと売店に、ちょっとトイレ…いちいち靴を履くのが面倒くさいのだ。
上のクラスはスリッパが出るかもしれないが、船旅にスリッパは必需品だと痛感した。
乗客には結構クロックスを穿いている人が多かった。何故私もクロックスを穿いてこなかったのか涙を呑んだぐらいだ。

長距離フェリーではスリッパは必需品。ここ、テストに出ます。ちなみに私は売店で使い捨てスリッパを買った。

あと、浴室はあるはが、タオルがないので自前のバスタオルを持って来ているお客さんが結構いた。流石皆、フェリー慣れしている…。
バスタオルも必携だが、これはフロントで有料で貸してくれるので荷物の積載量に限りがある場合は無理をして持ち込まなくても良いと思う。

後は徒歩乗船の場合現地へ向かう公共交通機関の交通の便に悩まされた。舞鶴-小樽はまだましな方で、後に記述する敦賀-苫小牧は絶望しかなかった。「バスがないならタクシーに乗ればいいじゃない」が通用しない土地だってあるのだ。
それもそのはず、フェリーと言うのは車で来るお客さんがメインなので、ごく少数になる公共交通を利用する徒歩乗船の客はあまり配慮されていないのだ。それこそ、バスが出るだけありがたいと思わねばなるまい。

ちなみに、小樽港でも新日本海フェリーが入港するエリアは駅から徒歩30分ぐらい離れています。
徒歩で体力に自信のない方は速やかにバスかタクシーを利用しましょう。
苫小牧は…。

ホテル編

小樽港は真っ暗でマイスは撮れない上に、作業車両があちこち出入りしているので邪魔にならないようバスの待合所へ移動する。
バスの乗客は当初は疎らだったが、路線バスも兼ねているのでショッピングセンターの前あたりから地元の人達がしこたま乗って来た。

そんなこんなで22時前に小樽駅到着。

歩きながら撮ったのでブレッブレ。
私が小樽駅に着いた途端、目の前で札幌行きの高速バスの最終便が出て行った。
小樽で札幌行きの高速バスの時間をリサーチすると、大体10分間隔ぐらいで出ているようだ。

リサーチが終わったら船内で貰った小樽市内の観光地図を頼りにホテルを探す。
地図を見ながら徒歩15分ぐらいあるじゃん、どんだけ歩くんだよと思っていたら目の前に見えてきた。
どう考えても小樽駅から徒歩5分の距離。
そう、通りを一本読み間違えていた。

で、早速チェックイン。

夜遅くにやって来て寝るだけなので部屋のグレードにはこだわらなかった。
寝るだけの部屋に1万掛けるのはもったいなさ過ぎる。

ホテルは新館と別館があるようで、新館のフロントでチェックインを済ませ、通りを挟んだ別館に泊まるようだった。


「なかなかレトロな宿だな…」
駐車場がどうみても廃業したガソリンスタンドと言うなかなか尖った宿だった。
レトロを売りにしている様子だが、レトロの方向性もなかなか独特だった。


「レトロ言うか老朽k…」
それ以上、言ってはいけない。


アメニティがプラ籠に。
見た感じ、廃業した老舗ビジネスホテルを外資系か何かのグループ企業が買い取った感じだ。
本館がそのホテルの建物で結構新しく、別館は廃業したホテルを利用している様子だ。
それでも良いんだ!部屋数が多くて安いから!

それも時代がそうさせたレトロ仕様なのか?

「コンセントが管理人の目の高さですのんや」
そんでもってスイッチの隣。


この高さ。


携帯電話を充電したらほぼ宙吊り状態。
ティッシュの箱で辛うじて何とかしている。
「誰得やねんこの高さ」


「そんでもって、あのコンセントの高さでどないして湯を沸かすねん!?」
きっとテーブルの足元にもコンセントがあったに違いない。きっと…。

気になるのは明日の天気だ。
台風の進路予想図を見る。

何と日本列島、この時期は三か所の台風に挟まれていた。
うち二つが北海道上陸予定。
「………終わりやな。自分」

予想図を見てわかる通り、日本海側には全く影響がなかった。
相当揺れると覚悟して乗ったが、実際は全く揺れなかったのだ。

9号と11号、絶賛北海道上陸予定。

「小樽-札幌で戻るルートだなこれは」
この時点で明日は一日大雨だろうし、知床行きのバスは運休だろうと思っていた。

問題は札幌に滞在せねばならない場合、札幌・小樽・千歳には殆ど宿泊できる宿がないことだ。
予約時の段階も苦戦したのだが、本当にビジネスホテルの空きがない。

フェリーで撮った写真の使いまわしじゃないですよ。

「まあ、なるようになるさ。昔沖縄で台風二つに囲まれた時もギリ何とかなっただろ」
あの時はギリ躱せたが、旅先でまともに直撃したこともあった。

明日は一体どうなるのか。
なってみないとわからない。

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