WSTマイス北海道紀行-夏の陣-
-前書き-
恒例の夏休みのシーズンがやってきた。
今年のGWからずっと台湾に行きたいと悶々としていたが、ふとした時に新日本海フェリーの存在を思い出し、折角の5連休なのでフェリーで北海道まで行こうと考えたのだ。
新日本海フェリーで関西から北海道へと移動する場合、深夜の12時−1時発で到着は翌日の20時半になるので丸一日近く船の上で過ごすこととなるので、時間がないとおいそれとできない。連休だからなせる業。
旅行好きを自負している割に今の今まで北海道は道南の札幌・登別を除いてほぼ未踏、北海道はでっかいどうすぎで何処をどう行って良いかわからない。
また、北海道旅行は物凄く高いというイメージがあった。そして、バイクかレンタカーがないと移動もままならないだろうという先入観もあったが、調べた結果鉄道・高速バスと言う手段もあるのでドペーパーの私でも移動は何とかなりそうだった。
だが、北海道は如何せんでっかいどうなので行き先をどうするかで迷う。船で行くため実質三泊四日になり、どうしても行く場所が限られるのだ。道北・道東まで行ってしまうと何回工程を組んでも期日中に札幌まで戻ってこれない。
だが、北海道はでっかいどうすぎて各地に空港があるのだ。最悪各地の空港から札幌まで戻ることはできる。そのかわり、北海道間の移動の運賃が札幌→大阪以上に高い空港が往々にある。
北海道旅行あるあるが、距離感を見誤ってあの広い大地に工程を詰め込みすぎてしまい、旅行中殆ど移動で終わってしまうパターンだ。ツーリングなど、移動が目的ならばそれでオーライだが観光目的ならばかなり悲惨なことになる。
手段に埋没しがちなWSTトラベルならば十分に考えられるオチだ。
ネットで調べた結果、北海道旅行で二泊三日の基本コースと言えば、札幌-富良野-旭山コースだ。旭山から札幌までは高速バスで戻ってこれる。
これしかないかと思っていたが、何となく観光客がいっぱいいそうでかつ捻りがない気がする。
では、函館に行こうと思ったが流石はでっかいどう、札幌から函館まで高速バスでほんの四時間半。サクッと行ってサクッと戻ってこれる距離ではない。
確かに旭山動物園には行ってみたい。そして、網走に何となく行ってみたい。何となく行きたい、網走刑務所…。だが網走まで行ってしまうと時間が足りない。
三日間悩みに悩んだ結果、行き先が決定した。
新日本海フェリーで舞鶴から小樽に移動、小樽から札幌、そして高速バスで知床まで移動。知床から網走に移動して女満別から飛行機で伊丹へ戻るプランだ。
季節便だが女満別から伊丹までの直行便があったのだ。それでどうして知床。札幌から知床までの直通バスがあったので…。
これならば夏休み期間内に戻ってこれる。だが、旭山動物園へは行けない工程となったので涙を呑んで諦めた。
と、言うわけで電光石火で予約を取り、北海道へと臨んだわけです。
舞鶴港編
久しぶりの北海道旅行に気合を入れまくった管理人、前回の旅行がグダグダ過ぎたため、その反省を生かして準備に準備を重ねまくった。
夏とはいえ北海道は朝晩冷えるらしいのでウルトラライトダウンとウインドブレーカーを調達したり、サンダルでは寒かろうと歩きやすいスニーカーまで新調した。あの、横に大きなNの字があるやつだ。
そして、台風が近づいており、当日の北海道は連日雨らしいので涙にくれながら雨具の用意をしてスニーカーに防水スプレーを掛けまくった。
その時の私は台風の被害がどれほどのものかわかっていなかった。
家を出るときはガスの元栓を締めたり冷蔵庫を空にした。大体こういう時、生きて帰ってこない覚悟で準備をする。旅先で何時野垂れ死んでもいいように。旅先で定住してもある程度やっていけるように。
ともあれ、例によって仕事帰りにフェリーに乗るので、まずは京都から舞鶴まで移動する。
まず、四条大宮の自宅から徒歩で二条駅に向かい、山陰線で京都駅へと行って舞鶴行きの高速バスに乗る。
…二条駅って、山陰線のはずだ。舞鶴行きの特急に二条からも乗れるはずなのになぜ京都まで戻るのか?
特急まいづるよりも高速バスのほうが安いからさ!
旅の始まりは京都駅から。
物凄くきれいな内装のバスで驚いた。
仕事上がりで直行したので晩御飯を食べる暇がなく、バス停近くのパン屋でパンを買った。
バスで移動中にそれを優雅に食べていたのだが、ピロシキの脂っこさに胸やけを起こしてしまい、後半一時間ずっと死んでいた。
教訓、バスの中でピロシキを食べてはならない。
そしてバスに揺られること二時間近く、東舞鶴駅へと辿り着いた。
昔、天橋立から芦原に在来線で移動したときに西舞鶴と東舞鶴の東西分裂で一時間ばかりトランジットのお世話になった舞鶴だ。
ラダマイヅルを撮りたいが暗い&人が疎らにいるなど諸々の理由で断念。
舞鶴港行きのバスの時間まで少しあるので構内をうろうろ。
午後10時前にして小浜線が終了している。
バスを待っていたら目の前に10代後半〜20代前半と思しき男女の自転車軍団に遭遇した。
舞鶴駅の前を集合場所にしていたようだ。こんな時間にロードバイクで集合ということはもしや…。
ほどなくしてバスがやって来た。
先の舞鶴エキスプレス号も降車時に舞鶴港行きのバスの時間と料金を案内していたので、乗り継ぐ人も結構いるのだろう。
そうしてバスに乗ったわけだが、どうしたわけか回送運転の舞鶴エキスプレス号が後についてくるではないか。
そして、舞鶴に着くなりバスの停車場に入った。
たぶん、フェリーから降りてきたお客さんを乗せるのだろうが…。
だったら終着駅はJR東舞鶴駅じゃなくて舞鶴港フェリーターミナルでも良いんじゃないのか?
謎は深まる。
フェリーターミナルの図。
フェリーは深夜0:30発だが、乗船は23時から。
なかなか魅力的な時間帯だが接続のバスが22時最終なのでどうしても仕事上がりすぐに直行せざるを得ない。
それ以降は徒歩乗船はタクシーで移動となる。
乗船カウンターで予約番号と名前を伝えることで乗船券を受け取ることができる。
新日本海フェリーは結構進んでいて、webで乗船券を発行すると受け付け無しでそのまま船に乗れるらしい(徒歩乗船に限る)。
webで予約しようが何をしようが大体どこの船会社も乗船名簿を書いて窓口に提出していたので、名簿の記入がないことに結構驚いた。
そして、予想通り東舞鶴駅前で見た自転車の若者集団が受付けにやって来た。大学のサークルか部活だと思う。この時間に自転車で東舞鶴駅集合だからたぶん同じフェリーで北海道へ行くんだろうなと思っていたよ。
フェリーはまなすの図。
フェローのトシュバンでシミリルラインのフェリーを見た時以来のワクワク感だ。大きなフェリーは何というか頼もしさがある。
大きいと外洋で揺られにくいじゃない。
乗船受付まで結構時間があったので周辺うろうろ。
舞鶴湾は波が穏やかで水面が鏡のようになっていた。携帯やデジカメでは全く撮れなかったので一眼レフを引っ張り出して長時間露光で撮っていた。
一眼レフを使いこなしたければ夜景を撮れと弟は言うが…。
難しい…。
舞鶴港と海龍カノンを撮ろうと思ったが真っ暗で写らない&釣り人がいっぱいいるなどの諸事情で断念。
ほどなく乗船開始、ハイシーズンは90分前に乗船受付をしてくださいと案内板に書いてあった。早く着くに越したことはない。
ちなみに乗船改札は係員が乗船券のバーコードを読み取って乗客を船内に通す。半券を渡したり乗船時にチケットを見せて下船時回収するなどアナログなことはしないのだ。だから乗船名簿要らず。
フェリーの旅で結構戸惑うのが船室の等級があるという事。相部屋のツーリストAか個室のツーリストSにするか予約時物凄く迷った。
ツーリストAが10,800円でツーリストSが17,280円だ。このツーリストSが半個室のような感じらしいのだが、サイトの写真では今一つツーリストAとツーリストSの差がわからない。サイトで確認したところ、ツーリストSはテレビ付きであった。
ヤ〇ー知恵袋などで調べたところ、どちらもほとんど変わらないという事だったので、速やかに安いほうのツーリストAにした。
新日本海フェリーは二段ベッドの昇降口の設計を巧みにすることによって、上の段の人間が下の段に気を遣わずベッドに登れる構造となっているのだ(航路によっては普通の二段ベッドの場合もある)。
つまり、相部屋のツーリストAもそれなりにプライバシーが保たれていて十分に魅力的なのだ。
更にデラックスルームやスイートルームになると目玉が飛び出すお値段になってくる。まさに動くホテル。
で、一番安いツーリストAにしたらしたで今度はどこのポジションをとるかで物凄く悩んだ。
まず、端っこは必。それは通路側か窓側か。もちろん窓側だ。
予約時に部屋の見取り図があるのだが、窓に面していそうなベッドが二か所ある。サイトの写真を見ても今一つわからない。
一つは窓の真ん前だが二段ベッドの下段。もう一つは窓の近くだが構造上どう見ても二階建てベッドの上段がない場所だ。
物凄く悩んだ挙句その上段が無い方で予約を取ってみた。
案の定、上の段が無かった。
頭上が窮屈な思いをせずに済む構造だ。テレビがないだけでツーリストSにほぼ近い。
お向かいに他のお客さんがいなければ。
そして、ベッドの足元に窓が!
つまり、ベッドでうだうだしながら外が見られる構造なのだ。
「ちなみに、ベッドの横はこういう感じで棚になってますねん」
カーテンを閉じた状態でものが取り出せるようになっている。
まずは船内を散策だ!
フロアーは吹き抜け。
ホテルをイメージした作りだ。
何というか、今まで乗ってきたフェリーとは一つ抜きんでた豪華さを感じた。
ええ、管理人の乗ってきたフェリーは短距離の格安が多いですが。
さりげない調度品も置いてあったりして本当に洋上のホテルと言った感じだった。
4階から6階までが客室。それよりも下は車両甲板だ。
言うまでもなくツーリストAの管理人は4階だ。
そしてカフェスペース。
テラスもあったが、家族連れの方がご飯を前もって買ってきてテラスで食べていた。深夜発で移動時間を考えるとどうしてもそうなっちゃうよね。
夜食の販売もしていたが、ピロシキですっかり胃をやられていたので自重した。
「ぼんくら管理人は写真を撮り損ねているが、ビュッフェレストランやコース料理を出すレストランも存在するのだ」
本当、見事に写真を撮り損ねている。
散策を終えて部屋に戻る。
その後、風呂に入ったりしている内にフェリーは舞鶴港を出航。
全く揺れないので暫くの間気付かなかった。
窓付きなのでこんな真似ができる。
もう夜も遅いので横になる。
ベッドの上で何時までも夜の海を見られるのは至福でした。
「残念ながら写真には撮れなかったがな」
撮ってもなんのこっちゃわからないのだ。
と、言うわけで今日はここでお休みだ。