その二『出前編』

何のかんので炬燵は退かずじまい。
ラダマイスも気を取り直して出前を注文だ。


ラダマイス『腹もへったし出前を注文するか』
アイコマイス『オレはカレー!』
流石、ネパール人の鏡だ。


ミノマイス『私は“いつもの”で頼みますよ?ラダマンティス』
『いつもの』より『頼みます』のニュアンスが強いミノマイス。
ラダマイス『…やれやれ、電話の注文は結局オレかよ…』
やたらポップな電話である。

出前を取ること40分、一同『遅せッ!』と思い始めた頃に出前は到着した。


カノマイス『へいお待ち!』
スニオンブラザーズが一人カノマイスである。
『すわ』
あんまり驚いた様子じゃないのは空腹の為か。


アイコマイス『何でお前がデリバリーなんかやってんの?』
カノマイス『生活費捻出の為の奉公に決まっているだろう』
そう言えばジャージーズの収入源って、一体何だろう?

ともあれ配膳。

カノマイス『ともあれ喰え喰え!』
ラダマイス『つうことは全部お前の奢りか?』
勿論、そんなことはない。

そしてミノマイス、丼もののフタを開けてみたら、
何と牛丼だ。ミノマイス『なんと…!』

そして出前の主に速攻クレーム、
ミノマイス『私が牛丼などと言う庶民的なものを口にすると思ったのですか!?』
ラダマイス『その庶民の間で牛は高級食材なんだ。有り難く喰え』
そう言うラダマイスはさり気にカツ丼。リッチである。
ミーノスの“いつもの”が一体何であったかは結局判らずじまい。

一方アイコマイスは、

アイコマイス『何だこの味はぁ!こんな甘いのカレーじゃねえ!!
ジンジャーとガラムマサラが効いてないじゃねえか!』
何度か喰ったことがあるが、ネパールのカレーは日本のに較べて半端じゃなく辛いのだ。
これにキレたカノマイス、
カノマイス『何だと貴様、サガの作ったボンカレー中辛にケチ付ける気か?』
それは幾ら何でもダメだろう。
ラダマイス『…カノンお前、仕事中だろ。さっさと持ち場に戻らんか』
全くその通りだ。