ラダ考第四夜

前回に引き続き、関連用語を幾つか。

「課長」

2ちゃんねるなどに於けるラダマンティスの通称。『ラダマン課長』とも呼ばれる。
世知辛い中間管理職のポジションとして課長職が宛てがわれているのがミソ。
それならバレンタインは係長かとも言いたくなるが。
どこのサイトでも一致した見解だが、
ラダマンティスは働きの割に正当な評価を得ていないのではないかとのことだ。確かに。
これでアイアコスが「次長」で、ミーノスが「部長」だったら流せる涙も無い。
ちなみにパンドラが部長でタナトス・ヒュプノスが専務と常務だと思っている。


「鬼門」

一部の黄金聖闘士ファンの間ではこのラダマンティスの存在は鬼門でもある。
少年誌のお約束『後から出た敵役の方が強い』のルールに則り聖闘士最強の黄金達が彼の前で、
単なる咬ませ犬に変化する点である。
確かに、ハデス12宮であれだけの活躍を見せたムウ・アイオリア・ミロの3
人が纏めて呆気無く倒されるのは、見ていて腑に落ちないものがある。
それだけ三巨頭が強豪だと言うことを示したいのだと思うが、
何か当時の少年誌独特の残忍さを感じずにもいられない
(要はそれだけ彼等の見せ場が無かったと言うことか)。
特に、その後黄金聖闘士達がコキュートスに堕とされて氷漬けになっているシーンはかなりショックだ。
これでは、読者が呆れて離れるのも仕方が無いとすら思ってしまう。
そこで、黄金聖闘士の名誉を護るため原作では『ハデスの結界によって自由に動けなかった』とあるが、
それではそんなズルして勝ったラダマンティスが却って小物に見えて物語の緊迫感が無くなってしまう。
一方、アニメ版の方はラダマンティスの方を持ってハデス結界の設定が削除されているが、
今度はそれはそれで「ラダマンティスが無駄に強い」と言う意見も出ている。
どのみち黄金3人が呆気無く倒されるのだから不満も無理が無い。


「間男」

同人世界のサガ×カノンカップリングに於けるラダマンティスのポジション。
長年間男のポジションに立たされて蚊帳の外から辛酸を舐めて来たラダマンティス氏だが、
近年では人気が高まり一部の同人では晴れて正夫(正妻)の地位を手に入れている。

「亭主関白」

カノン×ラダ、ラダ×パンドラのカップリングに於いて、ラダマンティスに縁のないもの。
ラダ×バレなら実現可かもしれない。


「子安武人」

言わずがな知れたラダマンティスの声優。
この名を見てまず思いついたのは、十二国記の慶国の麒麟、景麒だった。
十二国旗と言えば、元NHKBSだったものが教育テレビでだめ押しに再放送されており、
同じくBS系のプラテナスが十二国旗の後に流れていた。
そこに登場するユーリと言うロシア人宇宙飛行士の声優もまた子安武人氏で、
画風の違いから来るギャップに、
弟とともにTVの前で大爆笑していた記憶がある。
なので、ラダマンティスの声優も子安氏だと知った時、図らずも大爆笑してしまった。
因みに、『機動戦記ガンダムW』のゼクス・マーキスの声優も子安氏だったような。
私の知る限りでは金髪系が多いように思える。私が見ているアニメの量など知れているが。


「魔の山」

トーマス・マン著。冒頭は見ていると気が滅入ってしまうスイスの結核療養所のお話。
そこに登場するこの療養所の最高責任者が『ラダマントゥス』の称号で呼ばれている。
ミノスでないのがミソ。
サナトリウムを楽園エリュシオンに喩え、
それの支配者である『ラダマントゥス』と引っ掛けてあるようだ。
なかなか面白い言い回しであるように思える。

その称号を与えられたのは背の高い白髪の爺さんで、妙に陽気。
得意技は肺を休める為に片肺の機能を停止させることで、
このサナトリウムを出られるかどうかも彼自身の判断に委ねられる。
また結核の虞れがあると有罪、療養期間を懲役期間に喩えられているようだ。
用例:『さてラダマントゥスは貴方に一体何ヶ月を挑みましたか?』。

そしてこの爺さん、臨終で自らの死が迫って取り乱し暴れる患者相手に
『そんな真似は止めてもらいましょう!』と怒鳴る必殺技を持ち合わせており、
大の男でもこれを喰らうと大人しく自らの死を受け入れるらしい。
まさに『ラダマントゥス』の称号に恥じない曲者の爺さんである。

どちらかと言うとミーノスに似ている気がしないでもないが。
余談だが、主人公がその称号を忘れて『ラダメス』と呼んでしまっている。
これもなかなかナイスな言い間違いだと思う。


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