海外版マイスってどうなの?(後編)

マイス考察・レビュー

この記事は前回の「海外マイスってどうなの?(前編)」の続きです。

実物の品質はどう?

海外版マイスは、メーカーによって品質にばらつきがあります。

模倣品マイスはシンプルな無地の箱に↑こう言う状態で送られてきます。
ダイキャスト部分のみがブリスター、その他のパーツはチャック袋に入っていることが多く、届いてきたらまずは数量確認が必須となります。そして、説明書は基本的にありません
また、オブジェ形態も基本的にありません。デザインされた箱なし、オブジェ形態の台座無し(オプションで買える場合もある)、説明書なしなので、低コストで販売ができるのです。

模倣品(バンダイ正規品のコピー)について

  • パーツの咬み合わせが悪い:特に髪のパーツは合いが悪く、装着にコツが必要なことも。
  • 塗装ムラや小傷が多い:昔のマイスによく見られたような塗装の粗さがある場合があります。
  • 素体の質に難あり:樹脂の強度が弱く、関節が軋んだり、緩かったりすることがあります。
  • アイプリントのズレ:顔パーツの印刷精度が甘いこともあり、個体差が大きいです。
  • 成形色が統一されていない:肌色にばらつきがあり、同一キャラでも違う色味のものがある場合があります。

カラーバリエーションが豊富でメタル素体を次々導入している一方で、髪色と眉毛の色のカラーマネジメントの不一致や、肌色の成形色がバラバラになっている印象があります。

  • 思いがけないオマケが付いている:製造時期やロットによって、色々とおまけが付いていることがあります。

オリジナル品(独自設計の海外製マイス)について

  • 設計の完成度が高いものもある:GTやSTなどの人気メーカーの製品は、造形もパーツ精度も安定しています。
  • パッケージがある製品もある:模倣品ではパッケージなしが一般的ですが、オリジナル品にはしっかりとした箱付き・説明書入りのものもあります。
  • 造形の独自性が魅力:公式には未立体化のキャラや、原作の細かい場面を再現した商品が多く、ファンにはたまらない魅力があります。

中でもTP(トイ・ポイント)は星矢の世界観に則ったシリーズを展開しており、こちらはしっかりとデザインされたパッケージ付き、説明書入りでかなり気合が入っています。
価格は16000円(時価)〜と、15000円が上限だったバンダイ版黄金神聖衣よりも高額でしたが、2025年現在、原材料の高騰でバンダイの方が遥かに高額になりました…。

TP(トイ・ポイント)シリーズは新規造形素体で神聖衣黄金聖闘士・神シリーズを手掛けていますが、こちらは完全にパラレルワールドとして展開しているようで、黄金聖闘士はキャラが異なるレベルの別造形となっています。

オリジナルと模倣の両方があるMSTですが、近年獅子座のアイオリアを皮切りにメタル素体で25cmサイズのマイスも販売しています。
バンダイのマイスEXの丁度1.4倍ぐらいの比率です。
大きい分、装飾をもう少し細かく再現してくれても良いのでは?と少し思います。

GT(グレート・トイ)ST(シャイン・タイム)はものによってはバンダイを凌ぐほどの完成度の高さがあります。

GT双子座神聖衣とバンダイ版の比較。GTは完成度がかなり高い
バンダイ版ジークフリートとST(シャイン・タイム)版シグムンド。隣に並べてもほぼ遜色がない。

メリットとデメリットのまとめ

メリット

  • 公式では出ないキャラやバリエーションが手に入る
  • 価格が正規品より安いことも(ただし為替や送料による)
  • コレクションの幅が広がる
  • ジオラマ撮影や創作用途に便利

デメリット

  • 品質にばらつきがあり、不良も多い
  • パーツ交換などのサポートや保証が基本的に存在しない。パーツ欠損・間違いがあった場合は英語で直接ショップと交渉
  • 法的なリスクがある(とくに転売や輸入販売)
  • 倫理的な葛藤がある(著作権を尊重するかどうか)
税関で開けられてこう言う悲しい状態で届いたこともある…

ライトユーザーにはおすすめ?

「完璧な品質を求める」「コレクションを正規品で統一したい」という方にはおすすめしませんが、

  • マイス劇場を作りたい
  • ジオラマ撮影用に使いたい
  • とにかくキャラ数を揃えたい

という方には、コストを抑えて世界観を広げる手段として十分魅力的です。
ただし、あくまで「自己責任で楽しむ」ことが前提です。

おわりに

海外版マイスはグレーな存在ではありますが、ファンの創作活動を広げてくれる一面もあります。

購入を検討されている方は、本記事を参考に、ご自身の目的や価値観に合った選択をしていただければ幸いです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました