ドール服作り、道具は何を使ってるの?

マイスの衣類

ドール服作りと言えば裁縫道具。
我流で集め始めたので最初は小学校の頃に買った家庭科の裁縫セットから始まりました。
その後、教室に通ったりして色々と揃えてみたので紹介してみます。

主な裁縫道具

針と糸は必須ですがそこは割愛します。

裁縫道具紹介

主な道具の詳細をサクッと解説します。
ドール服制作専用品はまだまだ巷には出ていないようで、主にパッチワーク用品を使っています。

布地に線を引くペン

60度以上の熱や摩擦で消えるフリクションライナーを使用しています。
三色芯タイプで換え芯は常にストックしています。
しかし、白くなって消えて見えるだけで染料は付いています。-30度以下になると再び見えるらしいです。

濃い色の生地はクローバーのアイロンチャコペンか、ダイソーの水で消える布マーカーを使っています。

メジャー

家庭科の裁縫セットに入っていたメジャー。手巻きタイプなので長持ち。
アームホールの曲線の長さや裾周りのボリュームを測るのに便利。
ドール服は緻密に寸法を測らねばならないのでこれがないと作れないレベルの必需品。

裁縫ハサミ

クローバーのパッチワーク用布切りハサミ。ドール服の生地の繊細なカットに適している。
家庭科の裁縫セットのハサミでは限界があったので急遽購入した。

ほつれ止め液

中身はクローバー辺りのほつれ止め液。人間用なのでドールサイズの生地に液が大量に出てしまうので、100均のノズルボトルに差し替えて使っている。
巻かれた輪ゴムはキャップ固定用。

定規とマチ針

定規はクローバーのカードタイプスケールを使用。4mmや7mm幅などマニアックな幅が測れる。セリアにも似たものが売っている。

アイロンを掛けるのでまち針はガラストップのパッチワーク用を使っている。針が細くて細かい場所も打ちやすい。
ダイソーにも売っている。

鉗子とリッパー

鉗子は仕上げのひっくり返し作業の必需品。ドール服教室に通うまで存在を知らず、指かラジオペンチで頑張っていた。

リッパーは縫い間違いを解くのに有効…だが、使い方がイマイチよくわかってなくてよく勢い余って布まで割いてしまう。

ボンド類

裁ほう上手…強力でドール服向けではなく、時間が経つと実は剥がれる。筆者は主に襟先などのほつれ防止に使っている。

パワーエース…木工ボンドの小ノズル版。
仮止めに便利。つけ過ぎると生地がカリカリになったりシミになるので注意。

仮止めクリップ

仮止めのボンドを抑えたり、切った生地を無くさない用纏めておくのに使っている。ダイソー・セリアで購入。

大体のものは手芸用品メーカーのクローバーのものですが、セリアやダイソーでも結構揃います。

ミシンは何を使っているのですか?

そもそもマイス服作りにミシンは要りますか?

ドール服づくりの必需品と言えばミシン。
しかし、マイス服は小さいのでミシンは必須か?と言われるとそうでもありません。
なくても十分に作れます。

作例-冥王ハーデスのオリジナル衣装-

では何故ミシンが必要なのか?

  • 縫い目の美しさが手縫いとは異なる
    • ミシン縫いの美しさに勝とうといろいろ努力しましたが、結局叶いませんでした。しかし、手縫いには手縫いの良さとぬくもりがあります
  • 縫う長さが長いときに楽。
    • マイス服の縫う長さなんて最長でも精々30cm未満なので手縫いでも何とかなります。ただし、小さなドール服なので縫い目を細かくせねばならず手縫いではしんどかったです
    • 着物など、直線ばかりが続くものはミシンなら楽に早くできます
  • 大量生産するときに楽
    • ミシンの導入で生産量が増えたのは事実です
  • 縫製が頑丈
    • ドール服というのは着せ替えに縫い目にテンションがかかるので、袖や脇など結構しっかり縫製せねばならず、返し縫いは必須でした。また、まっすぐ縫えずに肩から縫い目が飛び出すこともよくありました
    • ピッチ幅1.5で縫製すると頑丈で引っ張っても縫い目が見えません

ミシンを買おう

ミシンを全く知らない私は何を選んで良いのかわかりませんでした。

あちこちのサイトを巡ってよく見たのが、

  1. 安いミシンは縫い目が汚い、厚い布を縫えない、音がうるさい
  2. 市販のミシンはクセがあるのでそれを慣らせねばならない。その点中古は安心感がある。
  3. 最低でも3万以上出したほうが良い

などなど、特に2番なんて裁縫の素養のない人間には一体何を言っているのはわからない状態で混乱する一方で、「面倒くさいので手縫いで良い…」と半ば諦めていました。

ミシンは中途半端なものを買うと「安物買いの銭失い」になります。一定額を出す以上確実なものが欲しいのが人情というものです。

そしてドール服教室で「マイスの服を作るのにおすすめのミシンはありますか?」と先生に聞いて買ったのが↓です。

ブラザー社の直線縫いミシンヌーベル470

職業用直線縫いミシン。並縫いしかやらないやつ。ボビンケースがあって下糸の調整するやつ。ええ、言われるがままです。
「ミシン界隈で聞く調整(調教)は要らないんですか?」と聞いたら「直線縫いにそんなものないよ」と言われて購入を決意しました。
購入を決めた経緯であるおすすめポイントをざっと紹介すると、

Brother Nouvelle 470おすすめポイント

  • 職業用なのでトルクがあり縫い目がきれい。将来的にディーラーをやるなら買うのもあり。
    • マイス服は小さくて薄いのでトルク(貫通力)とは無縁ですが、本皮もギリ縫えるらしいです
  • 本体が重いので静か。ワンルームマンションで夜中でも作業ができる
    • 軽さを売りにしているミシンはモーターの振動を抑えきれないので煩くなるのだとか。静音を求めるのならば重いものを選ぶのがマストのようです。もちろん、持ち運びやすさは犠牲になります。
  • シンプルで扱いやすい。職業用だが初心者にも扱える
    • 主に洋裁学校の教材に使われているプロ向けエントリーモデルです
    • シンプルでタフなので長く使えます

お値段は?

当時の購入価格は8万円です。
一生物なので奮発しました。
「ミシンに8万出した」と言ったら「すごい!それって刺繍も縫えるの?」と言われ、「並縫いしかしませんよ」と言うと「そんな単機能で8万も出すの…?…騙されてない?」とドン引きされます。
ヌーベルも職業用ミシンでは割と安い部類だと思います。
「JUKIの同グレードの製品と比べて劣る」「縫い目の美しさも職業用ミシンとしては最低限のレベル」という厳しい意見もネットで目にしました。

ちなみに自動糸切り機能と糸通し機がなければ一万円ほど安くなります。
糸切り機能はまた下糸出すの面倒だし、糸通し機能はいらんと言われましたが、ユーザーレビューで「老眼が進むと糸通し機能は必須」とあったので将来を見据えて糸通し機能付きを買いました。

多分、ミシンに詳しい人ならもっと多機能で同じ縫い目を再現できるミシンを安価で手に入れると思います。しかし、私にはそこまでの知識がないので仕方がありません。

ピッチダイヤル。
ドール服用は細かいほうが良いので大体1と2の間で設定している。
細かい分、縫い間違いをした時に解くなどのリカバリー作業は大変。

その他のおすすめ理由

これは、マイスの服作りに纏わる部分です。

  • 作っている服が1/12サイズと小さすぎるので他の機能はいらない、並縫いだけで十分。
    • ギャザー縫いは手縫いで対処できるほどの小ささです
  • 下糸を通す穴が小さいので生地巻き込みの心配が少ない。
    • ほぼ1/12サイズの襟元などかなり繊細な部分を縫うので、この穴の小ささは割と重要です
    • 多機能ミシンはこの穴の部分が大きいので、襟の縁縫いなど細かい作業をやると布を巻き込んでしまうおそれがあります
  • 小さすぎるので伸縮性のある布も並縫いで対処できる。
    • 一応、ニット生地などの伸縮性素材は手縫いかレジロン糸を使っています

1/12ドールやマイス服しか作らないのであればこのミシンだけで十分という判断です。
他の裁縫に使ったり、大きなサイスのドール服を縫う場合はまた話が変わってきます。

ミシンの糸と針は何使ってるの?

ミシン糸は主に60番で、「ミシン用」と書いてあれば何でも使っています。
針はオルガン針の11番を主に使っています。マイス服は繊細なので9番では?と思ってましたが使っているうちに縫線が歪み、最終的に折れました。
針の寿命とか替え時が今ひとつわからず、「別に安くてもいいじゃない」と100均で5本一組の11番針を買いましたがすぐに折れたり目飛びしたのでケチらずオルガン針を使っています。

オマケ:世間のミシン事情

私がこのミシンを買った後ぐらいに、周囲でいくつかの縫製工場が畳んでしまい、「もしよければ工業用ミシンを引き取ってくれないか?」という話が幾度か舞い込みました。
工業用ミシンとは、職業用よりも更にタフな24時間稼働しても平気なあれです。手放す側も処理費用がかかるのでタダで引き取って欲しいとのことでした。
うちには既に職業用ミシンがいたので「そう言う話はもっと早く聞きたかった」でお断りし、使ってないボビンを幾つかもらいました。
国内の縫製工場が後継者不足などで畳んでしまうので良くない話ではありますが、そういった経緯でもしかしたら工業用ミシンが何処かで格安で手に入るかもしれません。

おわりに

かがり縫いとかロックとか他の機能のあるミシンがサブ機で欲しいなあ…と思いつつ、何を買っていいかわからず、とにかく並縫いだけでよく縫えるので現在に至ります。
またいつか、ミシンを買ったらご紹介します。

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